エステルちゃんを守りたい

『田中のアトリエ』のエステルちゃんへの愛を綴ります

『田中 年齢イコール彼女いない歴の魔法使い 8巻』感想

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こんにちは、私です。

夢はリズのマジタレになることです。

でもリズのマジタレは田中であるべきだと思っているので、私は次点で我慢するです(ゾフィーちゃん口調)。

 

前置きは置いといて田中8巻発売しましたね。

僕は発売日の2日前に届きました。マイクロマガジンさんの公式通販超はやい。嬉しい。

 

というわけで、田中8巻の感想を書きます(読み終わったので)。

 

感想は非リズ系とリズ系に分けて書きます(分けないと文章の大半がリズで埋め尽くされてしまうから)。

 

あ、それとエステルちゃんのことはだいぶ前から意識的に「リズ」と呼ぶようにしました。

 

なぜならば、それがエリザベス・フィッツクラレンスというナオンに対する最上級の愛称であるから…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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突然現れて説教する変な人「田中、貴様もはやくエステルちゃんのことをリズと呼べるところまでいくんだぞ? わかったな? おれと貴様の約束だぞ? わかったな? わかれよ。なぁ、心の膜とか言ってる場合じゃないんだよ貴様。心の膜に囚われてる貴様の自意識の膜をぶち破れよ。最後の膜をぶち破れよ貴様おい貴様おい貴様!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……すみません。突然現れて説教する変な人に一瞬筆を乗っ取られました。

 

ここから感想に入ります。

 

※8巻のネタバレがいっぱい出ちゃうのでまだ読んでない方は全力でブラウザバック!

 

 

■非リズ感想

 

TIPS:ロリゴンの無精卵は美味らしい。

 

8巻は本編がなろう版の『魔王復活』~『伯爵』まで。

そして二つの書き下ろしで構成されています。

 

序盤はソフィアちゃん(ヒロイン勢の中ではリズの素晴らしさを作中一理解している子。君が地の文でリズを褒める毎に「Correct!」と叫ぶおれがいるよ。ありがとうソフィアちゃん。あ、しまった、ここは非リズの項目だからリズのことを書いては駄目だった)が白い粉をなくして禁断症状で苦しみながらそいつを追い求める話。

 

そのあと、田中さんがドヤ顔で処刑されたりしつつ、ロリゴンがそのお粉を吸って発情して妊娠して魔王の波動砲的なやつをブレス的なやつで撃ち返して勝利したりするのが、おおよそ前半の流れ。

 

変態描写のオンパレードである田中の中でも一際なロリゴン妊娠エピソード。なろうで最初読んだ時は、正直、これを書けるぶんころり先生に慄きました。

 

爬虫類型美幼女がヤク中になって発情してポテ腹になって無精卵をひねりだしてその無精卵を別のヒロインたちが食ってそれがそいつのものだと気づいて申し訳ない気分になりながらも美味いから完食するってなんだよ。最高だよ。

 

書き下ろしのお見合い話。本編では比較的おとなしかったミッシェルちゃん(ノイマンさんの娘さん)が本気出してきましたね。パパガチ恋勢。ぶんころり先生ワールドでは『パパを逆レイプしたいほど愛している娘さん』が出てくるのはむしろ常識の部類。ソフィアちゃんを恋敵扱いするときの全力感とても好き。

 

新キャラのソロ殿はストレートにかっこいい貴族で田中作品では逆に珍しいタイプ。田中で外面が良すぎる女の子、だいたい裏がアレなんで。そういう意味ではソロ殿は新鮮で公私ともに自己を律することができている感じが実に魅力的でしたね。

 

あと、モブ男性たちから言い寄られてあわあわする先生可愛い。エディタ先生がモブからモテる描写って今まで無かった気がするので(私が失念しているだけかもしれませんが)、やっぱり彼女のムチムチロリかわボディは田中以外からも人気あるんだなあ。

 

ここからはmだsたろう先生のイラストの感想を。

 

ロリゴン妊娠イラストが気合入りすぎてて何かに目覚めそうになりました。

 

ショタチンポのお風呂シーンのイラストもこれまた凄くて目覚めかけましたね。

メイドインアビス』のつくし先生の名言であるところの「第二次性徴期にホルモンバランスが崩れてちくびがちょっと大きくなる男の子がいましたよね。しこりができて痛いやつ。あの時期ってちくびだけ女の子なんですよ」を地で行く中性的エロさ。凄い。ショタチンポ凄い。

 

ノイマンさんがイラストついたら想像以上に超絶イケメンすぎてビビった。

 

ロイヤルビッチさんは謁見の間で田中に言い負かされて「ぐぬぬ」している顔の絵がお気に入りです。

 

扉の隙間から田中を非難がましくジト目で見つめるゴッゴルちゃん可愛い。

 

ゴッゴルちゃんの輪っかで吹き飛ばされるエディタ先生不憫可愛い。

ていうか8巻のエディタ先生は全体的にムッチリ度が2割り増しでムッチリ可愛い。

 

■リズ感想(本編)

 

TIPS:リズはたまに静かに絶頂を迎える。

 

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8巻。リズが出ている箇所に付箋はりまくったの私。

 

8巻でのリズ初登場は100p目です。

台詞を発するのは101p目です。

 

ちょうど100p目というキリの良すぎる数字で現れてくれるヒロインってすごくないですか?

 

ちょうど100p目で登場するって何だかメインヒロインっぽくないですか?

 

しかも今回口絵の1番最初がリズですよ?

 

口絵の一番最初にイラストが提示されるヒロインって何だかメインヒロインっぽくないですか?

 

エロゲのOP映像でもほら、メインヒロインが一番最初に出てくるじゃん。

(※最後の場合もある。あと、一番最後に出てきたヒロインが実は隠しメインヒロインって場合もある)

 

まあ、私の漏れ出た願望は置いといて。

 

まずは本編の感想から。

 

今巻でリズの記憶は戻ります。

リズファンにとっては色々と辛かった6,7巻からの完全復活ですね。

 

なろう版で読んだ時も、リズが聖女を簀巻きにした状態で謁見の間に乱入した場面で、私の頭を15年前の2ちゃんねる辺りでよく使われていた「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」が乱舞しました。

 

そう、これだよ。

 

『田中』のエリザベス・フィッツクラレンスというヒロインの魅力とはまさにこの“行動力”なのだよ。

 

しがらみも常識も保身も何もかもを「知るか」という感じで吹き飛ばして一から十まで田中のために全てを捧げようとするこの行動力を見てるだけで私は幸福になれるんだ。

 

しかしながら、記憶が戻っても、今巻からリズと田中の関係性は4巻までの頃と明確に変わっちまうんだ……。

 

リズの中で一度ならず二度までも田中にひどいことをしちまった罪悪感半端ない感じなんだよなあ。

 

(ゴミ箱あさるリズとか超可愛いけどさ)

 

記憶が戻ったけど田中への罪悪感からそれを隠そうとするリズと、

記憶が戻ったことを知っているけど自分から言わないってことはアレンと元鞘に戻ったんだなあと勘違いする田中さんの悲しいすれ違いがこの後はだいぶ長く続くんだ。

 

書き下ろしのお見合い編でも、田中のお見合いにリズは乱入せずただ遠くからじっと見つめているだけだった。記憶喪失前のリズからは考えられない異常事態。

 

あのリズが遠くから見てるだけで良いとか言い出すの超切ない。

 

しかしながら、私がリズにここまで入れ込んだのはまさにこの展開があったからなのもまた事実。

 

仮に田中が3,4巻のリズで突っ走って、そのままハーレムエンドなりリズエンドなりを迎えていたならば、私はこれほど彼女に入れ込むことはなかっただろう。

 

ああ可愛いヒロインだった。結ばれてよかったねで終わっていたはずだ。

 

過去の記事でも書いたけど、今回の8巻で田中との関係性が変質したことで、今までイケイケドンドンだった分の落差が凄い心にきたんだ。彼女のヒロインとしての深みが真に増したんだ。

 

だからこの関係性の変質は……必要なこと……なんだ……。

 

◯8巻(本編)で好きなリズのシーン

 

・記憶を取り戻してからはじめて田中と対面したところ

⇒「……こんな時まで、貴方は私のことを心配してくれるのね」と「それも、とある方との約束、ということなのかしら?」の2つの台詞がお気に入り。

 

・ファーレン卿に魔法陣のことを聞きながら怖い笑みを浮かべるところ

⇒「……だから、大切にしなければならないの」という台詞がお気に入り。

 

・謁見の間の聖女(諸悪の根源さん)簀巻きにして登場

⇒本編のハイライト。エリザベス・フィッツクラレンス復活ってやつだ。

『見つめ合う童貞とビッチ。これほど無駄な時間はない』って田中さんは言うが、違う。それは世界一有益な時間だ。

 

・田中にゴブリンからもらった金貨を手渡すシーン

⇒私的本編のハイライト。8巻本編のリズのシーンで一番好き。珍しく感情をあらわにする田中さんとそれを心配するリズが尊い

 

■リズ感想(ビッチクエスト)

 

ビッチクエストのリズのコマンド一覧:

寝込みにナイフ、宝物庫放火、腹パン、馬乗りリンチ、ヤクザキック、簀巻き 

 

※ビッチクエストまわりは私の解釈が多数混ざった感想になることをご容赦ください。

 

まず第一に、今巻の書き下ろしであるビッチクエストは、視点が小冊子以外では初の田中とソフィアちゃん以外のもの(リズ視点)であるので、田中視点の下ネタやソフィアちゃん視点の小物感がありません。

 

ビッチダイアリー(6巻でついてくるリズの日記形式の小冊子)でも思いましたが、リズの一人称は上のふたりに比してハードボイルド(渇いた文体)です。

 

ぶんころり先生の他作品で例えるなら『西野』寄りです。

 

なのでシリアスな場面では田中やソフィアちゃん視点よりも、ガチ目なシリアスになります。

 

でもやっぱりリズらしさもあって、

「ギチギチに全身を縛られて、足蹴にされたい」や「彼にだったら両手両足をもがれても構わない。その上でただただ、性欲を処理するだけの道具として扱われたい」などなど、初期のリズらしい変態表現が地の文でいっぱい出てくるので読んでてとても懐かしく、そして嬉しい気持ちに満たされました。

 

ゴブリンとの邂逅以降のシーンは互いに仲良くなって生物種としての垣根を超えて認め合うようになる過程がとても良かったですね。

 

過去のリズなら一方的にゴブリンを見下げていたけれども、田中のおかげで彼らを色眼鏡で見なくなったという描写も『リズの成長』を感じられてよかったです(何度も言うように彼女は成長するヒロインとしての魅力もあるので)。

 

そんなこんなでゴブリン兄弟と宝物庫を燃やして別れてから、迎える聖女との第二ラウンド。

 

そうだ、思い出したよ。この聖女、ピンチになるとすぐに命乞いするドクターワイリーみたいなところがある子だったんだ。めちゃくちゃ諸悪の根源だけど嫌いになれないのは、この小物臭さが妙に可愛いからなんだよなあ。

 

そんなわけでゴブリンさんにバフ魔法をかけてもらって強化した拳による腹パンで聖女をぶっ倒したリズは、馬乗りでボコボコにします。

 

このボコボコにするシーン、いいシーンなんだけど読んでて辛かった。

 

リズが「そっち側」にいっちゃうんじゃないかと余計な心配をしてしまった。

 

というのも、このビッチクエストのリズは色々と無理をしている感があったのだよね。

 

記憶が戻ったと思ったら記憶喪失中の自分の過ちを思い出して強烈な自己嫌悪に陥り、

あれほど好きだった田中から身を引くという、身を裂くような決意をした上で、

田中を陥れた存在に唯一人で立ち向かおうと動く。

 

記憶を取り戻した16歳の彼女はいっぺんに色んな決意をしすぎて、結果的に、今回のクエストでは相当に心身を疲弊した状態で聖女に挑んだような気がするんだ(初戦で片足もなくしてるしね)。

 

一時的に『仲間』であるゴブリン兄妹といる時は精神的に安定していたけれども、その後、また一人になって聖女に挑んだことで、彼女の中の何かがプツンと切れてバーサーカーモードになったように感じたんだよね。

 

田中の件で自己嫌悪に陥り、あまつさえ自分のことを『浅ましい女』と卑下しながらも、それでも田中のために働きたい、田中のためならなんだってできる、と強迫観念的に突き進んだ結果の『笑いながら聖女をボコす』という、一歩間違えるとそのまま闇落ちしかねないところまでいってしまったように思えるんだ。

 

だからここらへんのシーンはすごく面白かったけど、リズファンの私としてはリズが聖女を殴りながら同時に自分を殴るような、田中のために自分はどこまで堕ちても構わないというような、そういう類の狂気を感じたわけなんだよね。

 

3巻の縦ロール城破壊のときのリズもだいぶキリングマシーンだったけど、あの時と決定的に違うのは、今回のキリングマシーン・リズには上でも書いた『自傷行為としての暴力』がプラスされていたように思うんだ。

 

そんなわけでビッチクエスト、久しぶりにリズの濃い描写を読めてすごい嬉しかったし、すごく好きだったんだけれども、同時に「は、はやくこの子に幸せな日常を。このままではリズはこわれてしまう……!」みたいな悲しみやら危機感やらを抱いてしまったんだ。

 

※何度も言うように上の文章は全部私の勝手な自己解釈です。

 

本編を読んでから口絵のリズを見ると、なぜ今回、リズのイラストだけあれほど暗いトーンで描かれてたかようやくわかったよ。

 

兎にも角にも、久しぶりにリズの濃い描写をたくさん読めて、深読みしすぎるくらい細部まで読み込んでめちゃくちゃ考え込んでしまって、結果的に色々と抑えられずに久しぶりにブログまで書いたので、本当に田中は最高だ。

 

ここ数ヶ月の私の生活はリズを中心にまわっている。

 

◯8巻(ビッチクエスト)で好きなリズのシーン

 

・冒頭

⇒「私、エリザベス・フィッツクラレンスは記憶を失っていた」という一文を読んで、私は『きた、ついに小冊子以外のリズ主役の書き下ろしがきた、うおおおおおおりゃあああああ』と興奮しました。

 

・作中内でいくつか挿入されるリズの地の文変態描写

⇒「そういえば、ソフィアは彼の部屋のゴミ箱を~その中に顔を埋めて、深く呼吸を繰り返す~万が一にも彼の排泄物など入っていたのなら、深く自らの内に取り込みたいと思う」の独白が一番のお気に入りです。リズ、存分に取り込んでくれ。

 

・寝室の聖女をナイフで脅すところ

⇒ハードボイルド・リズ。

 

・ゴブリンとの出会い、そして共闘

⇒ペニー金貨を受け取り、田中との繋がりを感じる場面がとくにイイ!

 

・聖女のパンチを受けとめるところ

⇒ゴブリンバフ、強い。

 

・聖女を馬乗りでリンチのところ

⇒読んでいて悲しくなったが、田中を想うリズの行為が極限に至るとても大事なシーン。

 

・聖女が命乞いするところ

⇒聖女さんは、リョナられたり命乞いしたりするときが一番かわいいよね。

 

・城内で止めてくる近衛兵たちを押しのけるシーン

⇒4巻でフィッツクラレンス家のおじいちゃまにファイアボールかますシーンを思い出して懐かしい気分になった。

 

・謁見の間に乱入

⇒静かに絶頂を迎えるリズもかわいいし、静かじゃない絶頂を迎えるリズもかわいい。

 

しかし、記憶喪失から蘇って以降のリズの内面的苦悩が解決に向かうには、

やはり不死王編まで行かないと駄目だと改めて思いました。

 

だからこそ、不死王編をなんとしてでも書籍化キボンヌ(15年前の2ちゃんねる)。

 

もちろん不死王編以降も番外編等が書かれるなら、ぜんぶ書籍化してほしい……!

 

なので、記事冒頭で、ネタバレ全開なので未読者はブラウザバックとは言いましたが、もしそれでも未読者でこの記事を先に読んでしまった方はぜひ田中8巻を買ってください!

 

あとGCノベルズ様で田中のアンケートもやっているみたいで、

このアンケート結果が続刊にも左右するらしいので、アンケートもぜひ……!

http://micromagazine.net/gcn/camp/

 

長々と書いてきましたが、

最後にこの記事の結論を述べます。

 

 

 

 

 

 

 

田中、8巻最高!

 

リズ、幸せになって!

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

※突然現れて説教する変な人は私がペイントで5秒で描きました。